PCM2704使用 USBヘッドホンアンプ その2
Digikeyを利用することにしたので、それに合わせて設計変更しました。
国内だと入手が難しい部品を取り入れています。
回路図
パターン
50x50におさめています。
デジタル部
PCM2704からPCM2704Cに変更しました。
音量調整がしやすくなっているとのことです。
アナログ部
TPA6120A2を使用
アナログ部に、前々から使ってみたかったTPA6120A2を採用しました。
念の為に電流帰還アンプでMFB型LPF組んだ時の動作をシミュレーションしておきます。
電源
デジタル部のレギュレータにADP150を使用
デジタル部の3.3VレギュレータにADP150を採用しました。
ローノイズ、高PSRの高性能なレギュレータです。
アナログ部の負電源生成にLM2663を使用
オペアンプ用の負電源をチャージポンプICを使って生成することにしました。
なるべくスイッチング周波数の高いIC(MAX1681やMAX889)を使いたかったのですが、予算の都合で150kHzで動作するLM2663に。
これでも十分な性能だとは思います。
予算
4人分の部品代+基板代で19k程度です。
1台5000円を目安にしていたので、ほぼ予算ピッタリになりました。
基板発注
バグチェックをしてから、Elecrowに発注予定です。
PCM2704使用 USBヘッドホンアンプ
PCM2704を使ったUSB接続のヘッドホンアンプを作ります。
回路図
パターン
PCM2704はセルフパワーモードで使う
PCM2704はバスパワーモードで使うと、USBの5VをIC内部のレギュレータで3.3Vに落としてから各ブロックに供給される。
これを、外部電源を使わずとも、外部にレギュレータを設置して、PCM2704はセルフパワーで使うようにすると音が良くなるらしい。
音量調整はPCM2704の機能を使う
PCM2704には音量調整機能(Vol+, Vol-, MUTE)が付いているのでこれを使う。
タクトスイッチでは面倒なので、ロータリエンコーダとマイコンを接続。
マイコンはDIPのATTiny13Aを使用。
表面実装のものを使って基板にISP端子を付けても良かったが、
プログラムはブレッドボードで書き込むようにしたほうが楽かと考えた。
小音量時の音量調整のしにくさ(PCM2704Cで改善)、デジタル音量調整ゆえの音質劣化はあるが、安いボリュームを使うよりは良いだろうと考えた。
マイコンのプログラムについては後日。
アナログ回路
ヘッドホンをドライブするためにオペアンプを使う。
オペアンプ回路は多重帰還型LPFになっている。
PCM2704はLPFを入れると音が良くなるらしい。
ゲインは約9.8dBに設定した。
これで出力電圧は約1.9Vrms。最大出力50mW(64Ω)を目安にした。
カットオフ周波数は70kHzに設定。
これはネット上の色々な作例を見て決めた。
20kHzまでほぼフラット。
Q値は0.6。
オペアンプの電源はバスパワーの5Vをフィルタ通すだけ。
部品点数削減のために昇圧はせず。
単電源動作になるため、バイアスをかける必要がある。
これには2.7Vのツェナーダイオードを使った。
抵抗分圧よりもオペアンプのPSRが良くなるらしい。
仮想GND方式にはせず、出力カップリングコンデンサをいれた。
仮想GNDのインピーダンスを下げる回路を入れるよりはカップリングコンデンサを入れたほうが手軽でいいんじゃないかと考えたからだが、賛否両論だと思う。
ほとんどSMD部品
小型化のためになるべくSMD部品を使った。
結果、基板サイズは49 x 47mmに収まった。ハンダ付けがんばろう。
部品は秋月・千石で手に入るもので
Digi-keyを使えばPCM2704Cを使うこともできたけど、送料無料になるまで買い物する用事も無かったので断念。
低コスト化のためにも、お手軽に買い物は秋月と千石だけで済ませる。
Elecrowに基板発注
Elecrowなら50x50[mm]までの基板なら$9.90/5pcs。
前回hidaspxの基板を発注した際も特に問題は無かった。
一番安いエアメールで送ってもらう。
基板は何色にしようかな?
水晶振動子の下にはパターンを描かない
浮遊容量が出来て悪さをするらしい。
アナログとデジタルでベタGNDを分離
PCM2704の下でつないだけど、これで良かったんだろうか?
リターンパスとか、よくわからない。
ケース
ケース加工がクッソ面倒なので、
MDFをレーザーで切って、基板の上下だけカバーする感じになる予定。
現時点での費用
出資者を3人とすると、一人あたり部品代+基板代が3000円くらい。
9/7 追記
コンデンサの選定について
あまり深く考えずに、秋月、千石で取り扱っているチップ積セラを選んでいた。
が、どうやら積セラも一長一短のようだ。
ちょっと調べて自分で理解したことをまとめておく。間違ってるかも。
まず、積セラはおおまかに高誘電率系と温度補償型の2つにわけられる。
で、その特性によってFとかCHとか、コードが付いている。
高誘電率系(Fとか)の積セラは、容量を大きくすることが出来る。
3216で100uFとか、そういう容量のものがある。
でもこの特性の積セラは、直流バイアスをかけると、容量が減ってしまう。
例えば"10uF 6.3V F特性"って売られてる積セラに5Vほどかけると、実容量は2uFほどしか無いってことになる。
パスコンに使うやつは定格電圧が高めのを選んだほうがいいかも。
逆に温度補償型(低誘電率系)は、高誘電率系にあった温度特性、DCバイアス特性のデメリットが無い。
でも、大きな容量のものはない。1608だと0.01uFくらいまで。
具体的に回路でコンデンサを選び直したほうがいいと思ったところは、
- C20
100uFも無い。電解に取り替えるかも。
でも、ここは20uFもあれば十分なような気もするから、変えなくてもいいかも。
- C12, C13, C14, C17, C19, C25
アナログ回路のフィルタ部分。
ここは温度補償型もしくはPPSとかのフィルムコンに変えるべき。
参考:
電源IC 選択のヒント集 - 直流バイアス特性によるセラミック・コンデンサの実容量の問題
http://www.linear-tech.co.jp/company/news/timelynews/TN029.pdf
http://www.cqpub.co.jp/toragi/TRBN/trsample/2003/tr0310/0310sp3.pdf